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簾内氏

 

“わげものが、変わる。―秋田の未来の担い手へ-”

“わげもの”とは何を指す言葉か。「方言で、“若者”が濁って“わげもの”なんですよ」と教えてくれたのは、落ち着いた雰囲気漂う長身の青年。年齢を聞けば、弱冠24歳だと言う。大学進学をきっかけに上京後、何かをしたい想いで彼が立ち上げた団体「WE LOVE AKITA」。WEBデザイナーとして働く傍ら、自問自答しつつ日々動き続ける若き活動家、簾内貴就氏に話を伺った。

 

 

━━━地元にいた頃から、東京に憧れはありましたか?

 

「東京には中学生の頃から漠然とした憧れを持っていましたね。
華やかでいいなと思っていました。」

大学進学を機に上京した簾内氏。東京の大学を志望した理由は、「田舎を出たかったから」だと言う。彼の出身地である秋田県能代市は、田んぼと畑に囲まれた本当の“ド田舎”だと笑いながら、当時の遊び場を教えてくれた。

「遊ぶといえば、能代市のカラオケやボーリング、ショッピングセンターでしたね。
栄えている秋田市に行くのは贅沢で、電車で1時間半かかるんですよ。おまけに料金は片道で1280円。お年玉で行くという感覚でした。」

 

━━━実際に東京にきてどう感じましたか?

 

「上京して感じた東京は、ビルが多い、人が多い、
とにかく何でもある、すごいな、というものでした」

と彼は当時を振り返る。一方で、「暗闇がない」とも思ったそうだ。真っ暗闇がないから怖くはない、けれど都会の人は逆に暗闇の怖さを知っているのか、という疑問も湧いてきたと語る。

そんな彼が東京の地で思い出した光景は、繁華街のネオンとは対極にある実家の裏山に生息する、熊やうさぎが雪に残した足跡であった。人間が見えていない世界も感じられた地元と自然のおもしろさが、浮かび上がってきたという。

 

━━━東京ではどんな風に生活をしていたのですか?

 

「上京後、下北沢にあった“秋田県育英会東京寮(※1)” で生活を始めました。
寮生は約120人でしたね。」

寮にはその名のとおり秋田県出身者ばかりが住んでいた。そのおかげで、東京でも地元の温かさを感じていたという。

「3年生が自治会をやっていて、挨拶や自己紹介をまるで軍隊のように一週間練習したり、先輩の部屋へ挨拶にまわったりがありましたよ。そこでは地域の防災訓練やお祭りの手伝いなどにも参加していたので、自然に街にも馴染んでいきましたね。」

この寮では世代を超えた交流があり、濃密なコミュニティが生まれていた。
東京にいながら県民性を意識できたここでのネットワークは、現在にも繋がっている。

 

※1 財団法人秋田県育英会
明治33年に、財団法人秋田県育英会として設立し、戦後の混乱期を除いて奨学金の貸与事業を行っている。男子寮は明治36年開設の秋田育英館に始まり、関東大震災後現在地(世田谷区)に移転。平成6・7年度に改築・改修し、収容人数119名の個室を備える。
http://www.akita-ikuei.jp/

 

━━━その後、はじめから就職は東京ですると、決めていたのですか?

 

「いえ、当初は秋田での就職しか考えておらず、内定をもらっていた企業もありましたが、大卒で帰省したところで自分には何ができるだろうと考え直しました。東京に出てきたのなら、大学だけではなく社会人としても東京で経験してみたいと思いましたね。」

東京で就職すると決めた2008年4月。当時の想いを彼はこう語ってくれた。

「何かしたかった。けれど何をしたいかがはっきりしていなくて、悶々としていました。でも仕事も地元に対しても、両方に向けて何かしなきゃって。そんな想いだけはありました。」

ここから WE LOVE AKITA が始まっていくことになる。

 

━━━最初は何人で活動を始めましたか?

 

「2008年6月、寮の友人とたった2人で WE LOVE AKITA を立ち上げました。
“やれることをやりたい”、その想いだけで発足させました。」

これは彼が大学4年生のときのことである。この数年で活動は広まっていき、「自然と集まってきてくれた」という現在のコアメンバー数は約30人。年齢は19歳の学生から34歳までと幅広い。メーリングリストには50~60人。もちろんそのメンバーは秋田県出身者ばかりだ。

WE LOVE AKITAの活動は、若者が秋田を変えようというコンセプトがおもしろいと秋田の地方新聞に掲載されたこともある。「誰もやっていないなら、自分たちでやろう」という彼らの想いが地元に届いた瞬間である。
※2 WE LOVE AKITA
首都圏を中心に、秋田を離れた地で「秋田を応援するための取り組み」を行っている団体。
http://we-love-akita.com/


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秋田県出身 /「WE LOVE AKITA」代表”

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