Share on Facebook
Post to Google Buzz
Share on LinkedIn

 

━━━現在の活動内容や想い、きっかけを教えてください。

 

自分は農家を継がないつもりでいたんですけど、どこかで罪悪感があって、何か家のために貢献したいなと思っていました。そんな折の2009年4月に倅(セガレ)(※1)という活動に出会ったんです。そこには、自分と同じような農家の息子・娘が東京に出て来ていながらも何か親孝行したいと思っている人たちが集まっていて。彼らは活動として自由が丘のIDEEというインテリアショップでセガレマーケットという実家の農産物販売をやっていたり、実家に人を呼んで農業体験をさせるというプログラムを実施してました。雑誌のBRUTUSに紹介されていたのを見て、「これまさにおれのことじゃん」と思って、直接連絡を取って参加しました。今でも定期的に活動しています。

それから、仕事で地元と企業を結びつけたりもしました。元々在籍していた会社で、結婚情報誌の営業をしていたんですけれど、とある大手ブライダル企業に婚礼料理と農業体験と新郎新婦のおもてなしの心を結びつけた提案をする機会があって。その案自体は保留になったんだけど、先方に「まずは岩崎さんの農家で何か出来ないか」と言う話を頂いたんです。そこで実家を通じて地元でみかんの収穫体験をしてもらうことで、普段手にする食材がどのようにして出来上がっているかを知り、農家には労働力として貢献できる。さらに採ったみかんを婚礼料理として提供するという教育研修×CSR企画として2009年12月に実現させました。

ただし、さすがに自分の実家の農家だけではやりきれないので、地元では若手のリーダーを担っている父親に協力を依頼して、なんとか5人協力してくれる農家を募りました。結果は大成功。30数名の参加者は非常に勉強になる体験だったと喜んでいたし、地元では「東京から若い団体が来た!」と言って、その見慣れない“おかしなみかん山”の光景に注目が集まったし、近隣民宿への多少の経済的な効果もあったと思います。

※1 倅
http://www.segare.jp

 

━━━地元の反応はどうだったのですか?

 

最初は奇妙な目で見られていましたね。ただ、その企画が大成功を収めたことで、地元農家のネットワークで噂が広がり、今度は自分たちも参加したいという嬉しい反応がありました。そして2010年8月に行った2回目は、地元からは10農家の協力と、ブライダル企業側からも参加者の人数を増加させたいという話があったんです。

その第2回目には、企画自体が進化しました。今まで“摘果”という果実が小さいうちに間引いて捨てていたみかんがあったんですが、ブライダル企業から勿体ないから何かに利用できないかという提案があり、手絞りでお酢作りをすることにしました。ここですごいのは、酢作りのノウハウなんてもちろん誰も持ってなかった中、地元の農家の人が乗り気になって地元のお酢メーカーに働きかけてくれて実現したということです

 

━━━それらによって生まれた効果は何でしょうか?

 

まず思ったのは、自分の想像以上に地元農家の人が喜んでくれたということですね。その理由の一つは、刺激を与えられたということです。農家の人って通常の仕事の中では最終消費者と触れ合える機会ってほとんど無いんです。加えて若い人に触れ合う機会も無い。働いている中で最も若い農家でも40歳くらいで、60、70歳が普通なんですよね。そういう点で今までに無い新しい刺激があったと思います。

 

━━━そのキーとなったのはなんでしょうか?

 

一つは、おこがましいかもしれないですけど、地元の農家の息子が繋いだ、というのが大きなポイントだったと思います。今でもブライダル企業と地元の農家が継続して良好な関係を築いているのは、地元に所縁のあった自分だったからこそだという気持ちがあります。先日も両親から改めて感謝のメールをもらったんですが、とても喜んでくれていますね。

ブライダル企業の方々も本当にうちの地元にラブなんです。第3回目には農家の家に泊まってもらいました。そこではボランティアではなく、2泊3日ガチで働いてもらって、遠慮なんていっさい無い。そんな農業体験や宿泊の中で濃〜い関係が出来たこともあって、最後の別れ際には涙を流してしまう程でした。うちの地元が「第二の故郷です」と嬉しい事を言ってくれる方もいます。

もう一つは、やはり親ですね。最初にこの企画を始めたときには、両親含めた5農家が本当に重要でした。普通の農家は保守的で新しいものを受け入れないけど、彼らは地元の中でも、みんなアクティブで柔軟な考えを持っていて。次の企画のときは地元農協のリーダー的な人を父親が説得して巻き込んできたし、研修の夜に、地元の良いところを言い合おうみたいなワークショップを行った時も、うちの親父がファシリテートしていて、それがすごい上手でびっくりしました。 自分の親を心から尊敬し、理解のある親に感謝しています。


1 2 3

No Responses to “#007 岩崎 亘 氏
静岡県出身 / 農家のセガレ発、ビジョナリー起業家”

This post has no comments yet.

Leave a Reply